Steinberg Cubaseは、音楽制作業界で長年にわたり広く使われてきたデジタル・オーディオ・ワークステーション(DAW)ソフトウェアです。
30年以上にわたり、ミュージシャン、音楽プロデューサー、エンジニアに愛用されてきました。ソフトウェアは長い歴史の中でさまざまなアップデートや変更を重ねてきましたが、その基本となる機能やコンセプトは受け継がれています。
この記事では、Steinberg Cubaseの歴史を振り返ります。
Steinbergは、Karl SteinbergとManfred Rürupによって1984年にドイツのハンブルクで設立されました。当初は
Commodore 64向けのソフトウェアを開発していましたが、その後、MIDI機能を標準搭載していたことから
ミュージシャンの間で人気を集めていたAtari STへと開発プラットフォームを移しました。1989年、SteinbergはAtari ST向けにCubaseの最初のバージョンをリリースしました。
このソフトウェアは当初、Cubeatと呼ばれていました。
Cubaseが画期的だった理由のひとつは、グラフィカル・ユーザー・インターフェースを採用した初期のMIDIシーケンサーのひとつだったことです。
これにより操作が分かりやすくなり、より幅広いユーザーが音楽制作に利用できるようになりました。Cubaseはミュージシャンやプロデューサーの間で急速に
人気を集め、1991年にはSteinbergがCubase Audioをリリースし、
デジタルオーディオの録音と再生に対応しました。
その後もSteinbergはCubaseの機能を継続的に改良し、さらに拡張していきました。
- 1996年にはCubase VST(Virtual Studio Technology)がリリースされ、バーチャル
インストゥルメントやエフェクトを使用できるようになりました。これは音楽制作業界にとって大きな進歩であり、
ミュージシャンは外部ハードウェアだけに頼ることなく、コンピューター上でサウンドを作成・加工できるようになりました。
Steinbergはその後もCubaseの開発を続け、新しいバージョンや機能を次々と追加していきました。
- 2002年にはCubase SXがリリースされ、新しいオーディオエンジンとVSTi 2.0
バーチャルインストゥルメントへの対応が導入されました。また、当時急速に普及しつつあったMac OS Xにも対応しました。
- 2017年にはCubase 9.5がリリースされ、
新しいバーチャルインストゥルメントやエフェクトに加え、ユーザーインターフェースやワークフローも改善されました。
- 2018年にはCubase 10がリリースされ、より高度な
オーディオ編集を可能にするVariAudio 3や、MixConsoleの機能強化などが追加されました。
さらにワークフローも改善され、より直感的で使いやすい操作環境へと進化しました。
- 2019年にはCubase 10.5がリリースされ、高度なオーディオ処理に役立つSpectral Comparison EQや、
MIDIインストゥルメントをより表現豊かにコントロールできるMIDI Polyphonic Expression(MPE)への対応強化など、
新しい機能が追加されました。
- 2020年にはCubase 11がリリースされ、MIDIノートを簡単かつ正確に編集できるScale Assistant、
新しいサンプラー機能のSampler Track 2、さらにパフォーマンスと安定性を向上させる
オーディオエンジンの改良などが導入されました。
Cubaseはその長い歴史の中で、ユーザーインターフェースも何度も進化してきました。各バージョンで
新しいデザイン要素が導入され、操作性も改善されています。また対応環境も拡大し、
WindowsやmacOSに加え、さまざまなオーディオインターフェースやコントロールサーフェスにも対応しています。
SteinbergはCubaseの基本となる製品に加えて、ユーザーのさまざまなニーズや予算に合わせた複数のエディションも
提供してきました。例えばCubase Elementsは、初心者や予算を抑えたいユーザー向けに機能を厳選したバージョンで、
Cubase ProはCubaseの機能を幅広く搭載した上位バージョンです。
長年にわたり、Cubaseはミュージシャン、音楽プロデューサー、エンジニアから高い支持を得てきました。
Steinbergは音楽制作業界の変化するニーズに対応しながら、新機能の追加や改良を継続し、
Cubaseを進化させてきました。
現在では、Cubaseはプロフェッショナルから趣味で音楽制作を楽しむユーザーまで幅広く利用されており、
今なお代表的なDAWソフトウェアのひとつとなっています。
Steinbergは現在もCubaseの開発と改良を続けており、音楽制作における重要なツールとして進化を続けています。